2008年4月24日 星期四

417  その汽車待った!
廖 継思

「おーーい、その汽車待った、わしは村長だぞ・・・」
と発車する汽車を停めた村長さんの笑い話がある。ところが、現実にスイスで汽車の出発を?秒停めた猛者がいたのだ。私の孫の嫁である。
今年の二月、長女は旧正月の長休暇を利用して、去年スイス・バーゼルの研究所に就職した息子(私の孫)の家を根拠地にして、スイス各地へ日帰りの旅を楽しんだ。新婚の嫁は、語学勉強中で案内役にはもってこいだった。スイス国内の汽車ネットはくまなく張りめぐられているので、バーゼルはいわば辺境に位置しているにもにもかかわらず、日帰りが可能だったのである。
その日、Zurichからバーゼルへ帰る列車は終列車だった。時刻表によればn番ホームから発車するとある。しかし、時間が近づいたのに、ホームにはほかの乗客が一人もいない。念のため時刻表を見直すとこのホームから出るのは土、日だけであとはmホームからということが分かった。見るとその汽車はまさにmホームに入ったところである。さあ、大変この列車をはずすともう汽車がない。小母さん連中は動きが鈍いから、若い嫁がまず駆けて行った。あと1分で発車である。駅の中といえども水があるところは凍っていて滑るから
普通のように駆けるわけにもいかない。小母さんたちはもっと慎重だ。
嫁はどうにか間に合ったが、まず車掌をつかまえて、事情を説明、「ちょっと待って・・・」と懇願した。車掌は時計と睨めっこしながら、笛を口へ持っていこうとする。しかし、嫁は知っていた。車掌が車内に入って戸を閉めない限り汽車は動かないことを。嫁はスイスへ来てまだ半年、語学学校に通っているがドイツ語はほとんど分からない。それもあって、ゆっくりとドイツ語にフランス語を交えて車掌に説明することで時間を稼いだ。車掌も若いレディの前でで、礼儀正しく聞いている。そうこうしているうちに小母さんたちが追いついた。汽車に飛び乗って、車掌に「Danke Schon」を連発して、汽車が動いた。待たせたのは1分もなかったらしいが、定刻より少しおくれたかも知れない。無事バーゼルに帰りついたのは、11時を過ぎていた。バスはまだ走っていた。
実は、私も1995年秋にスイスに旅行した時同じような経験をしている(汽車を停めたのではなかったが)。
インターラーケン東駅からハーダー山行きのケーブルで山頂まで行ったが、展望台からの眺めが期待はずれ、しかし、帰りのケーブルは6:30とあったからのんびりしていたら、展望台前の時刻表の6:30の前に小さな星が付いている。よく見ると、それぞれは7月と8月だけで、今(10月)は6:00が最終便なのだ。あわてて、半分駆け足で駅まで急ぐ。奥さん連には気の毒だったがこれを外すと、2時間くらいハイキングさせられるのだからしかたない。発車寸前やっとケーブルに間に合って東駅に降りることができた。
もう一度は、ChurからZurichへ行く時。今度のケース同様、指定ホームで待っていたが、時刻が迫っているのにホームには乗客が一人もいない。おかしいと思ってホームにある時刻表で確かめて見たら、10月からホームが変わっていた。
観光の国、スイスではシーズンとノンシーズンで列車の停まるホームや最終便の時刻が変わることが多いらしい。表を見る場合、小さな星記を見落とさないよう注意が必要だ。
でも、汽車を待たせる経験はそうざらにあるものでまない。貴重な体験である。 ‘08/04/17

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