2008年4月11日 星期五

大山鳴動して

大山鳴動してねずみ一匹という言葉がある。大さわぎした割りに結果が小さい場合によくつかわれるのだが、最近似た経験をした。
3月の定期検査で、GPTが270で異常に高いといわれた。エコー(超音波)検査を受けるようにと指示される。時間は三日後の午後2時30分である。時刻はいいとして、検査前8時間はものをたべてはいけないという。夜食の習慣がないから、前夜から通算すると18時間空腹を抱えなければならないことになる。水は飲んでもいいそうだが、そのことは看護師からは告げられなかった。
約20年前の検診で胆嚢に結石があることが分かっているが、悪さをするのでなければ放っといていいといわれているから、問題があるとすれば胆石だろうと自分でも知っているから、その宗を告げる。この医師は、検査中もケータイを聞いているくらいで、あまり身を入れて検査しているとは思えなかったが、少し腫れていますねというだけで、あとは主治医に聞いて下さいという。
次の週、主治医に診てもらう。少し腫れているが胆管が詰まるほどではないから大丈夫だが、GPT270は高すぎますね、念のため胃腸科へ回しましょうと、すぐ転診の手続きをとってくれた。胃腸科ではほかの項目は正常だが、胆、膵臓、肝臓などのマーカーも検査して見ましょうと、更に10項目の検査を指示された。来週また来院することになる。
過去の検診記録を調べてみると、GPT、GOTともに30をオーバーしたことがない。270というのは10倍値である。調べてみると、中等度の肝臓機能障害で、急性肝炎かヴィルス性肝炎のおそれがある。「肝心」という単語があるくらい肝臓は大事な臓器だから、故障するとうるさいなあと気になりだした。GPTはまさに最初のシグナルなのだ。
折りしも一年間続けたジムがようやく効を発揮したのか、腹囲はあまり減少していないが、体重が二、三キロ下がってきた。知人二人からも少しやせましたねといわれた。一方では尿の色が赤みを帯びている。急激な体重減少はガンに対する警報でもある。やせたのは運動のせいか、病気のせいか分からないだけに、それも気になる。あれやこれや悩んでもしょうがないが、やはり検査の結果を早く知るに越したことはない。
さて、診察の日である。モニターに写し出されたデーターを見て、「あれれっ」と思った。GPT28、GOT25になっているではないか。過去の成績と同じレベルなのである。ほかの機能検査やマーカーも問題はないという。
「今後はどう注意すればいいですか」
と聞くと、時々追跡検査すればいいですよという。別に薬もいらないでしょう。安心が最良の薬ですから・・・と悟ったようなことをいう。
しかし、患者としては、やや不満である。それでは、あのGOT270は何だったのか、一向に説明がないからだ。以下は私の推理である。
詳しいことは省略するが、GPTもGOTも肝臓の細胞が破壊されて遊離した酵素の指標である。100以下であれば正常とされている。だから270はかなり異常だった。それが2週間後28に下がるとは考えられないから、270は小数点の桁違いではなかったかと思われる。27を270と見たのか、写しちがえたかだろう。以前のデーターが25乃至30だったことから、実際には27であった公算が高い。事後ではもはや証明できないだろうが。
ただ、患者としてはエコーから始まって、5回も病院に通うことになった。時間的には1時間もあればよいが、交通や待時間を入れると、結果としてほぼ半日つぶれる。老人は暇をもてあましているように見えても、結構仕事があるから、スケジュールの調整もしなければならない。
まあ、大山鳴動してねずみ一匹でよかったし、病院の裏側を垣間見た経験でもあった。
                          08/04/06 記す

1 則留言:

Unknown 提到...

先生
無駄な心配をさせられてしまいましたね。もし、本当に小数点の読み間違いであれば、とんだ迷惑ですよね。しかし、私も胸を撫で下ろしましたよ。良かったです!この月曜日にメールをお送りしましたが、お返事がなくて、どこかでも旅行されたかと思いましたら、このような出来事があったのですね。
麗華より