2009年7月21日 星期二

9721 バーゼルから(2)

ZurichからBazelへ帰るべく、自動切符売機で切符を買って出口から切符を取り出そうとしたら、後ろから肩を叩く人がいる。振り返ってみると小柄な日本人らしいおばさんがニコニコして頭を下げている。手に何か書いた紙切れとお札を持っているが、二、三漢字があるほか‘かな’ばかりで読めない。英語で話掛けて見たが頭を振るだけ、(英語が通じないのだ!)紙切れの中にZurich 中央駅があったから切符を買って下さいませんかといっていることが分かった。多分飛行機で着いたばかりだろう。同じ東洋人だから(あるいは日本人と思ったのかも知れない)安心したのかも知れないが、事情は彼女が考えていたほどスムースには進行しなかった。彼女が持っていた紙幣はそれこそ手が切れるような、銀行からおろしたばかりのま新しいものなので自動販売機がうけつけないでもどったのだ。手まねで別の紙幣はと聞いたら財布を見せてみな新品だということを示すだけ。仕方ないから私の古紙幣と交換してやっと切符を手に入れた。行き先はGrindelwald、ユンクフラウへ行く中継駅である。途中までおなじ線路を走るから一緒にのって、万国共通語で聞きだした結果、彼女は{独り}で憧れのユンクフラウ付近をハイキングしてくるのだという。予定は22日間。私のほうがたまげた。最近、女性の一人旅も珍しくないが、キャリオンの鞄一つで22日もハイキングするのはいいとして、英語も通じないでどうするのかなあと心配になった。しかし、彼女は平気である。それに始終ニコニコしている。それを聞くと鞄から紙切れを一杯とりだした。日本字とドイツ語の対訳みたいで用事はこれで全部達成できるのだろう。
どういう人だろうと想像する。子育てがすんで自由になったから、かねてあこがれていたユンクフラウへいって付近をあるきまわって見ようとおもいたったのだろうか。登山用の折りたたみ式の杖までもっているからまあ大丈夫だろう。乗り換え駅で彼女は相変わらずニコニコと手を振って降りていった。思わず心の中で
Have a nice journey “!
と叫んでしまった。

(以上、Basel 在住の孫の嫁の最近の経験談。心配する前にうらやましいと思ったのは私にもそういう素質があるからかも知れない。)

沒有留言: